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瞳 : eye
■ epilogue side −disposable
□ バレットハンドラーズ協会 タウ支局 受付 : シェルトン
「冗談のわからんやつらだ」
病室の天井のシミの数を数えながらシェルトンはつぶやいた。
おそらく少女にそんなつもりはなかったのだろうが、行動を封じられたときに各所の骨にひびが入り、同時にひどい筋疲労をもたらしていた。
「いてて……」
少し体を動かそうとして、どこからともない鈍い痛みにもだえる。
「……冗談のわからんやつらだ」
彼の入院生活は2週間に及んだ。
□ 三人組の賞金稼ぎ : タフト、ミンター、トッド
「誰かー」
「誰かいませんかー?」
「誰かー」
三人で間抜けな声を出す。
セレストたちが借りていた宿の一室。セレストのちょっとした気分で、彼らは縛られたままベッドの下に放置されていた。
「もう戻ってこないのかなぁ……?」
「つーか、俺たち忘れられてんのかなぁ」
「はぁ……誰だよ『鼓動』倒したとなれば一躍有名人とか言ったの」
「お前だよ」
「お前だ」
「宿の人見に来てくれないかなぁ」
「見に来てもいいよねぇ?」
「仕事しろよな……」
「あー……」
「んー?」
「俺たち向いてないんだろうな、この仕事」
「そうかもな……」
「誰かー」